ザ・スタンド 下巻

映画と違って後半になってもチープにならない。
すごいなぁ。S・キング。

後半である下巻では、人類滅亡規模のバイオハザードで生き残った(選ばれた)人々による群像劇になる。
しかもテーマはハルマゲドン。アポカリプス!

神の情け容赦ない暇つぶしに命をかけざるを得ない登場人物たち。ひでえ神だ。「4人で、今すぐに、食料も武器も持たずに、着の身着のままで、歩いて、悪魔の側の人間たちの住んでいる敵地に向かえ」って。
どういう労働条件だこりゃ。ちなみに敵地は山脈超えた砂漠の真ん中。歩いて2〜3週間の距離。神様もう少し便宜図れ。


面白いのは、神の側、つまり善人たちの社会にいる人の描写で、「彼は一目見てオーブンの故障箇所を見破れる。しかし車のローンの契約書がどうしても理解できない。物事が上手く行かない時、そばにて欲しいたぐいの人間だが、皆が好景気の時には何故か決まって一人だけ落ちぶれて、生活保護を申請するハメになる。」
あぁ、こりゃ善人だよ。


それにしてもこれを読むとあのテレビ映画の「ザ・スタンド」の出来のよさに驚く。後半はチープになるが、原作に忠実だ。
もう一度借りて見てみよう。