美味しんぼ

雷鳴叱咤(ゆう子には無効


お脳の調子がよろしくないので、漫画読み始めて
気がついたら美味しんぼ50巻読破してた。
 
この漫画、ホントに読むものが無い時に飛び飛びで読むと言う
知ってるし読んだことあるけど大して好きじゃない種類だったのだが
真面目に読んでいくとこれなんだよすげえよ。
 
まずグータラ社員の山岡がキャラも立ってるし主役だと思っていたのだが
これ違ったね。相棒の栗田ゆう子女史が主役なんだね。
イベント終了時の一人称のまとめ心境吐露もゆう子女史の口から出てるしね。
 
なによりこの漫画は
”漫画で読む栗田ゆう子の権謀術数マキャベリズム実践講座”だった。
もう兵法書と同じデスヨ。
兵法36計とか政略論とかと同レベル視しちゃってるよ僕。
料理がどうのグルメがどうの真のもてなしなんたらかんたらは
ダミーだ。作者たちが言わんとしてる事はそこにはない。(断言)

海原雄山というそこまで到達してる人間は他のジャンルの漫画にもそうそういないだろうと言うキャラがいるのだが、*1
この人間力の塊みたいな、渋滞に巻き込まれただけで「馬鹿どもに車を与えるなっ」とか平気で言うような人間を思うがままに操る女がいる。
栗田ゆう子である。
 
そこまで読んでいたのかぁー!と口に出しちゃったほど
森羅万象ことごとく栗田ゆう子の掌の上である。
事に山岡との恋愛から結婚移行期にかけての策の弄し方は半端ではない。
あれよあれよと言う間に全て栗田ゆう子の思うがまま。
誰もなしえなかった海原と山岡の軋轢もゆう子の神算鬼謀で
どんどん生暖かいものになってゆく。
 
最初は海原雄山の独裁者っぷりを楽しみながら読んでいたのだが
すっかり今やゆう子様が次はどんな奇策を使って
海原雄山を(ひいては日本芸術界を)たぶらかすのか
もう楽しみで楽しみで。

皆も料理漫画と言う表の仮面にとらわれずに
権謀術数漫画として読んでみるとよろしかろう。
こんなこと考えるのは僕の脳がアレだからかもしれないがっ。

*1:範馬勇次郎ラオウディオ・ブランドー、などと同レベルの猛者。魯山人がモデルのようだ。きつい。