ピクニック・アット・ハンギングロック

青春体質向け


70年代のオーストラリア映画
実話ベースと言うことだが本当だろうか。
一応カルトだと思うので、ある程度物語をばらしてしまおう。
これから観ようと思う人は読まない方がいいかも。
あまり関係ないと思うが。ばらすネタがないし。

全寮制女学校の教師と生徒が、野外研修にハンギングロック(地元名物らしい岩山)へ出かける。
そこで、3人の女学生と教師一人が行方不明になる。
泣き叫びながら戻ってきた女学生は、友達が夢遊病のようにどこかへ行ってしまった事、
下着しか着けていない教師を目撃した事の他は覚えていない。
つづく生徒の死、校長の死と、はっきり言って陰惨極まりない。

そして謎なんか何一つ解けないまま映画は終わるのだ。


 
ただし、クソカルト映画ではない。
映像の美しい事といったらなんだこれ?と目を疑うばかりのなんだこれ?
僕は映像美だけを売りにしている映画は大ッ嫌いのクソッ喰らえという男なのだが、
ヴィドック」みたいな毒々しいCGで作ったオサレでしょ?キレイでしょ?という
クソ映像美映画と360度(ガッツ石松風表現)異なる、
「オーストラリアの自然をありのまま撮ったよ?ここで人は蒸発するんだよ」
という映像美。まいった。美しいよ。

また、女学生たちの佇まいがもう
「お嬢様ってこうですよね?こうでなきゃね。」って独り言言いながら観てたくらい
イメージ通りのお嬢様っぷり。透明感溢れすぎ。
皆でハンギングロックでマターリしているシーンでは
みんなもたれ掛かったり寝そべったり詩を朗読(!)したりしてて
絵画のようだった。
 
物語は陰惨、しかし映像は美麗。
そりゃ人も消えるよ、美しすぎるもの、と言う映画でした。