カミングアウト風文章

  
僕が地球にやってきた時には、感情にほぼ支配されてる人間が滑稽に見えた。
この人間って生き物は思考で行動することよりも感情で行動することの方が多いときてる。
次の瞬間に何をしでかすかわかったもんじゃない。
よく数千年も絶滅しなかったものだ。
 
僕と同じようにこの星にやってきて、人間達にもぐりこんだ仲間たち、
マイケルやアドルフも同じ事を言っていたよ。
彼らはちょっと目立ちすぎてしまったけれど。
 
でもここで生活するうちに、怒りや憎しみに邪悪な喜びがあること、親近感や優越感に麻薬のような快楽があること、
おふざけを楽しむ事、つまり思考以外で行動することの気持ちよさに気がついたんだ。
 
マイケルは親愛と言う麻薬にやられてもう地球から離れられなくなっているし、
アドルフは憎しみの悦びにどっぷり浸かったままこんな辺境の星でくたばっちまった。
 
なかなかに地球を侵略するのは難しいぞ。
こりゃ難攻不落だ。